はじまりのハガキ
今年も残りわずか。
昨年のコロナ禍に始まり、抑制された生活も2年ほど。
慣れたとは言い難い状況で、まだまだ窮屈な状況は続きます。
今年も様々なお仕事をさせていただいたのですが、その中でも思い入れのあったものを紹介します。
それは神奈川でライターをされている、原田優香さんのハガキです。
もともと、「つくる邸」の運営で知られている「つくるのわデザイン」の岩本さんの名刺を作成させていただいたことで、原田さんの手に渡ったことから気に入ってくださり、ご依頼がありました。
独立するにあたり名刺を配る機会はあっても、持っていなかったのでこのタイミングで作成したいとのことでした。
私自身の名刺についても配る機会がほとんどなく、アフターコロナで名刺を渡す機会が減り、役割について思案していました。また住んでいるエリアや年齢もひと回り年下ということもあり、どういう名刺を作っていいか悩みました。
原田さんとの打ち合わせはZOOM。お互いの自己紹介を行う中で独立に至った経緯や仕事についての方針などについてかわした後、「このご時世に、名刺を作る意味があるのか?」と率直に伝えました。
僕と同じことを感じられていたのですが、それでも配る機会は少なからずあるとのこと。
配る機会が少なくても「原田優香さん」というライターとして、また人として印象を強くするにはどうすればいいか?
そこで思いついたのが 「文通」という機能を持たせたハガキでした。
デジタルでのやりとりがほとんどになった今、あえてアナログの手法にすることで、「人と人とのつながり」が、より深いものになることを狙いました。
提案後、いくつかの修正作業があって納品へと至り、配布された方にも喜んでいただけたそうです。
また渡した方からハガキが続々と帰ってきている…とのこと。
ちなみにこのハガキの名前は「はじまりのハガキ」。
原田さんとのやりとりが、はじまるハガキ。
ハガキを通して文章化することで自分自身を見つめ直す、自分自身(書き手)のはじまりのハガキ。
両面ともに、はじまりの「は」をデザインしています。
コロナ以降というもの、打ち合わせには出ずオンラインで済んでしまうので、以前からすると楽にはなりましたが、どこか物寂しさを感じます。
「狭く深く、そして息長く続く」ツールとして今回のハガキを作ることにしました。
原田さんは手紙を書くことは好きだったようで、そこも喜んでいただけたポイントだったと思います。
もし原田さんからハガキを受け取られた方、あなたなりの何かをはじめて見てください。
楽しみにしています。