先代の残したものを大切に。Cafe & Restaurant Maruzen
長崎市北部にある西友道ノ尾店の3階には、長年地域の方々に親しまれてきた「clover」というカフェ兼レストランがあります。
うちの家族も何度かしか行ったことがありませんが、グランドメニューはもちろんテイクアウトのスコーンも大好きなお店です。
このお店の2号店を「Maruzen」として、近くの「S&B葉山」というショッピングセンターの1階にオープンするとのことで、メニュー表製作のご依頼がありました。
打ち合わせ時に分かったのが、シンボルであるロゴマークが無く、それからショップカードやポイントカードにチラシも無かったので、あわせて提案することに。
提案した時は企画書を見られて、大変気に入っていただけたのですが、すでにロゴのようなもの記した看板が存在していたことが発覚。それでもロゴを気に入って下さり、採用していただきました。
仕事を受注する際、ゼロベースで受注することはほぼ無く、今回のケースのように概ね出来上がった中の一部分を依頼されることが多々あります。概ね、統一したディレクションがなされておらず、看板・内装・広告のいずれも全てが別業者で、発注元のオーナーさんが管理していると行ったところです。難しいのは、既に存在しているものを活かしながら、統一したシンボルを作るべきか。もしくは、存在しているものを打ち消すようなものを新たに作り直すか。ここはクライアントの反応をお伺いしながらのハンドリングになるのですが、いちど決めたことはやすやすと変えられないので、判断に迷うことはあります。アンテナを張り巡らせながら、デザイン案を採用に導くのは、一つ仕事の醍醐味ですね。
なぜ「clover」の姉妹店が「Maruzen」かと言いますと、オーナーである清水さんの奥様の高祖父(ひいおじいちゃんのお父さん)は雲仙で商店から食堂、披露宴会場まで営まれていたそうで、当時としては大変賑わいを見せていたのだとか。清水さんは当時のお店のことは見たことも無く、ご両親から聞いた話や、写真でしかそのことを知らず、いつか夫婦のやりたい形のお店を持てたとき、高祖父が営まれていた「丸善」という名前を看板に掲げたいと思っていたそうです。この思いを少しでも汲み取って出来たデザインが、清水さんの思いと一つになれたなら嬉しく思います。
メニューの内容も昔ながらの洋食屋さんのメニューで、カフェメニューやスウィーツも充実。テイクアウト商品も取り扱っています。
オープンは1月17日(日)です。メニュー表はお店の方でご覧下さい。インテリアは今っぽくてオシャレなお店ですよ。
Maruzen
〒852-8053 長崎市葉山1-28-15(S&B葉山 1F)
TEL・FAX 095-865-7539
10:00〜19:00(水曜定休)