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ありがとう、さようなら。

prism006-1

2月のある日。この日は晴れにもかかわらず、とても寒くて朝から手足がかじかんでいた。
午前中、仕事をしている最中、まさかの訃報。
信じられなかったけど、調べて行くうちに本当に亡くなったんだと…。
恩師であり、師匠であり、友達であり、兄であり、デザイナーというものを肌で感じさせてくれた廣瀬一男さん。
昨日の有志による「偲ぶ会」で、やっとお別れができたような…。
約10年前、僕は長崎高等技術専門校 商業デザイン科の生徒、廣瀬さんは外部講師として、お見えになっていて、
そこでの関係から現在に至ります。
前職を離職し、方向を悩んでいたとき、「まだデザイナーやめんな、独立してみろよ」と背中を押してくれた廣瀬さん。
デザインのことを学んだというより、独立までの約半年間、ほとんどの日を共にし、廣瀬さんの人柄を学んだ気がします。
実はPRISM!のネーミングとロゴデザインのディレクションをしてくれたのは廣瀬さんで、
「佐藤可士和や佐野研二郎がOK出すようなヤツを作れ!」とおっしゃってて 、
僕の考えたマークとネーミングがようやく廣瀬さんからOKになり、どうにかこうにか独立にこぎつくことができました。
自分にとって独立は、一生に一度の忘れられない事だったのですが、故人が亡くなられてから、
同じように思い出を語る仕事関係のクライアント、同業のデザイナー、趣味の仲間、高校の仲間、そして私たち教え子たち…。
廣瀬さんの人柄を愛していた人たちが、何人もいました。
独立後、一時期お付き合いを疎遠にしました。
仕事に専念することと、自身の個性を確立したかったので。
昨年のJAGDAの長崎大会で、多分体調も芳しくないなか、尽力されていたのに、
ねぎらいの言葉をかけてあげられなかったのは、本当に悔しい。
志半ば、やりたいことがたくさんあっただろうけど、
天国では好きな絵を描き、アルファロメオやZRX-Ⅱに乗って、自由にやっていてほしい。
もう、徹夜もしなくていいし、だれかの悩みとか苦労とか抱えなくていいんだから。
廣瀬さん、ありがとう、さようなら。
亡くなられたあの日。
朝8:30頃に亡くなられたのか。
このとき、洗面所で顔を洗っていたら鏡に映った洗濯物が揺れた気がする。
不出来な生徒の様子をうかがいにきたのだろうか?
…僕は元気にやってますよ。